前回、中東の争い分類1番目のパレスチナ問題をやった。
これはパレスチナって場所をイスラム教徒とユダヤ教徒が取合う問題。
それにキリスト教の国家であるイギリスやアメリカが絡んでる異教徒の争い。
中東戦争とはユダヤ人国家イスラエルとイスラム教の周辺アラブ諸国との戦争。
で、今回は中東の争いの分類2番目。
目次
イスラム教国家同士の争い
まぁホンマに仲良くしようや~って言いたくなる。
キリスト教同士でも仲悪い国っていっぱいあるから、分からなくもないけど・・・
イスラエルって共通の敵もいて、協力して中東戦争も戦ってるのにね。
じゃあ何が原因???
大きく分けると「石油」と「派閥」かなと。
石油の利権
第二次世界大戦後、1940年代後半から中東で油田が発見され始めるのよ。
「中東は石油」ってイメージあるけど本格的に石油産業が発展したのは戦後の1950年くらいから。
そんなに歴史があるわけではない(-ω-)/
そして石油の利権って2021年の今でも欲しいよね~(^O^)
中東各国で争って奪い合うけど、石油が獲物だとそれ以外に大国も絡む。
だからややこしい・・・長引く・・・
スンナ派とシーア派
もう1つ争いの原因。派閥。
イスラム教には大きく分けて二つの派閥があるんさな。
違いを簡単に説明しますね。
・スンナ派・・・イスラム教の預言者ムハンマドの後継者は「実力で選ぶ」
話し合いとか選挙とかね
・シーア派・・・ムハンマドの後継者は「血筋で選ぶ」
ムハンマドの血縁者ってことね。親戚とかもあり。
下図、ウィキペディアから参照
緑が濃いほどスンナ派多い、赤紫が濃いほどシーア派多い。青は無視でよい
殆どスンナ派ってことね。イスラム教徒の約9割(@_@。
そんだけ人数に差があったら揉めても勝負にならんでしょって思うよね。普通はね。
でも石油があると色んな国が関わってくるのさな。
石油と派閥の争いは小競り合いを含めるとたくさんあるけど、代表的なやつ1つ解説。
イラン・イラク戦争
文字通りイランとイラクの戦争ね。お隣同士・・・
これ1980年~1988年まで8年やるの・・・
長すぎやろ(≧◇≦)、ちなみに第一次世界大戦が4年、第二次世界大戦は6年ね。
それまでに両国とも1948年~1973年まで、これは断続的にやけど
「イスラエルと中東戦争」やってるしね。この時は仲間ね。
中東が戦争ばっかやってるイメージを多くの人が持つのは、
25年間の中東戦争と8年間のイランイラク戦争の影響が大きいと個人的には思うけどね。
両方ともイスラム教徒の国。
そして両方とも上図の色分けとおり、シーア派多数の国・・・
じゃあこの戦争には派閥争いは無関係かというと、そうでもないんさな( `ー´)ノ
イラクって国は少し変わってて・・・
全人口の2割のスンナ派が6割のシーア派を支配している構図なの。
で、ほぼアラブ人の国。
イランは9割がシーア派でペルシャ人の国。
ここは少し民族問題も入るね。
ざっくりいうと中東の大半はアラブ人で半分以上。
それにペルシャ人とトルコ人が続く感じ・・・
全ての戦争の原因は色々な要因が複雑に積み重なって起きるけど、
この戦争のメインとなる原因は
・スンナ派、シーア派の対立。
・アラブ人、ペルシャ人の長~い歴史の対立。
・この2つに両国の国境を流れる河川の使用権を巡る対立。
この河川が両国にとって石油輸出の要所( ;∀;)
ちなみにイラン、イラク共に世界の石油埋蔵量ではベスト5に入ってる。
戦争の経緯は割愛・・・
イラン、イラク戦争を8年間という長期にした大国の関与を解説ね。
イラン革命
イランは皇帝の治める国やった。
覚えなくてよいけど「パフレビー朝」って王朝ね。
これが1979年、イラン・イラク戦争の前年にホメイニってやつが革命を起こして共和制にした。
共和制ってのは簡単に言うと王様がいない制度ね。
イスラム教の最高権力者=国の最高権力者、にする革命なの。
これはイスラム教の国の中でも稀。
イランはこれを他のアラブの国に波及させようと考えた(革命の輸出)もんで、そりゃ困ると思った、他のイスラム教の国の指導者たちがまずイラク支持にまわる・・・王政多かったのね!!
それとペルシャ嫌いもあると思う。
王朝時代はアメリカと仲良しだったイランは革命後、アメリカ嫌いってなる。
アメリカ人を国外追放・・・今でも相当仲悪いけど、この時がはじめ。
イランが反米となったことでアメリカは中東での石油輸出に関する新しい子分が必要になる。
で、イラクを支援することになる(-ω-)/
ちなみに開戦当時のイラク大統領はサダム・フセイン。
この頃は仲良し。ここでは共通の敵イランが活きている(-.-)
後に湾岸戦争、イラク戦争でボコボコにやられるけどね(≧◇≦)・・別の機会にね
イギリスやフランスはアメリカに乗っかる形でイラク支援。
当時はサウジアラビアに次いで、世界第二位の石油輸出国イラクをアメリカが支持したことで、反アメリカにまわるメリットは当然ないしね・・・
戦後の石油の潤沢な輸入を石油消費国は考えるよね。
ソ連と中国はイギリス、フランスと同じ理由プラス、アラブ諸国とも同じ理由でイラク支持。
イスラム革命の精神が本国や隣国に波及するのはデメリットなんさ(-ω-)/
イランの仲間たち
じゃあ、イラン支持にまわった国は・・・
・イスラエル
「パレスチナ問題」で解説した通り、とにかくアラブ人嫌い。イランから石油輸入してる。
・シリア
アサド政権はイランと同じシーア派政権。
・北朝鮮とリビア
社会主義国でアメリカ嫌い。
ざっくりと上記理由だが、それぞれの国が民族、宗教、石油、そしてそれ以外の様々な思惑をもって支援している・・・
長期戦争の終わらせ方
これだけの国がイラン、イラクそれぞれの国を支援して、資金、食料や武器等を援助している。
支援国だけ見れば、イラク圧勝の見解やけど、イランの士気は高かったし・・・
最初は予想通りイラク有利やったけど、2年後くらいにイラン有利になって、イラクは停戦宣言するけど、イランはフセイン倒すまでやる気満々でそれを拒否・・・
その状態でさらに6年経過して、両国疲弊していく中で、今まで支援しかしてこなかったアメリカがペルシャ湾に出動。これはアメリカが自国への石油航路を守る為と、余りにも長引く戦況に「ええ加減にしとけ」があったと思う<(`^´)>
アメリカの本気を目の当たりにし、サウジアラビアから国交断裂を通告され、イランも停戦を承諾せざるを得ない状況となり、戦争終結!!!
おわりに
陸続きでお隣の国との8年に及ぶ戦争・・・
100万人ともいわれる戦死者、4,000億ドルといわれる被害額・・・
「何やってんの?」って言いたくなるね!!!
これ30年前くらいの出来事っすよ。
びびるのここから・・・
終戦からわずか2年後の1990年!!!
イラクはクウェートに侵攻して、湾岸戦争開始!!!
どれだけ国民と隣国に迷惑かければ気が済むの・・・
も1つ
支援した国、特にアメリカ。
長引く戦争の終結への旗を振ってくれたことは感謝!!!
ただその前に干渉しすぎ・・・
そしてどうせ関わるなら、もっと早く直接介入してれば、早期に終結してないっすか?
まだ分からないけど、早期に終戦させたくない理由があったと考えてしまう。
私見を述べたけど、戦争の歴史はまず「事実を知ること」が最重要。
人は宗教、民族、資源で殺しあえると認識すること。
これは過去にあった紛れもない事実。
じゃあ、繰り返さない為にどうするか?
今までの考えではなくなっていないのも事実。
まず忘れないこと、考え続けること。
それが今を生きる我々の使命と考えております。
コメント