中東の争い過ぎの歴史を見ていく中で過去に2つを解説。
分類の①はパレスチナ問題、イスラム教国家と異教徒国家との争い。
分類の②はイスラム教国家同士の争い。
そして今回は中東の争い過ぎの歴史、分類3つ目の「内戦」
これを見ていく中で、どの時代から、どの出来事から解説するかで、まあまあ悩んだね(-.-)
でその結果、1979年のソ連のアフガニスタン侵攻からしようと(-ω-)/
「内戦とちゃうやん?」って声、分かります。
でもこの解説が必要と判断したんよね。
という訳で
目次
ソ連のアフガニスタン侵攻
まずアフガニスタンの場所
中東を広く考えた場合に入る位置。
じゃあソ連は・・・
今はソ連って国はないけど当時はアフガニスタンに隣接する国はイランとパキスタン以外は全てソ連。
つまりお隣同士の国(;´∀`)
じゃあ、何故に侵攻したか?
行動への動機は複数の相互作用やけどメインは2つ。
1979年は前回やったイラン革命の年。
ソ連はお隣の国は同じ思想(共産主義)が理想。
何故なら面積広すぎるから監視しきれない・・・
ソ連のエリア↓ 今のロシアより広大
イランからアフガニスタン、アフガニスタンからソ連へのイスラム原理主義の流入を懸念してってのが
第一の理由。
第二の理由は当時のアフガニスタン政権がアメリカと仲良くしようとしていた疑念。
とにかくこの時期はソ連とアメリカはバチバチの「冷戦」の時代。
ソ連のアフガニスタン侵攻の翌年1980年に開催された「モスクワオリンピック」に当時のアメリカ大統領カーターが世界の国に「ボイコット」を呼び掛けて、50か国近くが賛同。
当時からアメリカに右へ倣えの日本も当然ボイコット。
言い方悪いね・・・日本も世界平和を願いボイコット(;一_一)
で、このソ連の侵攻は完全終結するまで10年かかる・・・
当時のソ連とアフガニスタンの国力を考えれば数か月で征服ってのが普通!!!
それがここまで長引き、ソ連は多数の戦死者を出し、多額の戦費を失った(>_<)
これによる国力の低下がソ連崩壊の引き金と思ってる。
何故ここまで苦戦したか???
分かるよね。簡単ね。
アメリカがアフガニスタンを支援した。
そしてソ連撤退後の大混乱のアフガニスタンはほったらかし・・・
アフガニスタン紛争という名の国内の支配をかけた内戦が10年以上続く。
この内戦は止めれたと思う。ここ最大のポイント。
アメリカが支援、干渉したならソ連撤退後にアフガニスタンが安定するまで面倒みてれば・・・
歴史は変わってたはず( `ー´)ノ
何故ならこの内戦の中から
「タリバン」が生まれ、「アルカイダ」が生まれ、
後に「IS(イスラム国)」が生まれる・・・
この3つの組織はソ連のアフガニスタン侵攻がなければ誕生していない、といっていいと思う。
だからここかここから解説したかった(-ω-)/
これらの組織は中東の近代史において重要なので、簡単に説明しておくね。
タリバン
タリバンとはアラビア語で「学生」という意味。
アフガニスタンの戦火を逃れてパキスタンの難民キャンプにいた若者たちが、そこでイスラム原理主義の教育を受けて育った組織。
ソ連の撤退後の内戦まみれのアフガニスタンで治安を安定させて、秩序を回復させたので民衆からの支持は厚かった。
ソ連撤退から7年後に内戦の中、自分たちの政権である「タリバン政権」を樹立。
一時アフガニスタンを支配していたが、イスラム原理主義に基づく厳しい戒律や女性の差別なので徐々に人気を失っていく。
2021年の現在では政権は担っていないが、アフガニスタンの過激派組織として存続している。
収入源は麻薬の原料のケシの栽培。
アルカイダ
ビン・ラディンが創設した国際的なテロ組織。
ビン・ラディンはサウジアラビアの信仰心の厚いイスラム教徒であり、ソ連のアフガニスタン侵攻時にわざわざサウジアラビアから支援に駆け付け、最前線で戦闘に参加している。
その最中にビン・ラディンはアルカイダを立ち上げ、その目的はアフガニスタンに留まらず、世界の国でのジハード(イスラムの為の異教徒との聖戦)。
アルカイダは前述のタリバン政権から庇護を受けて、のちのアメリカ同時多発テロを実行していく。
IS(イスラム国)
この組織は近年、過激且つ非情な活動で日本のメディアも騒がせていたので、組織名を見聞きしたことがある人は多いと思う。
組織名のIS(イスラム国)に関しては、「独立国家として認められていないので、その呼び方は不適切」とかの意見もあり、「ISIL」とか「イスラミック・ステート」とか呼ぶこともあるけど、ここでは一番普及している名称と勝手に判断している「IS」で表現してきます。
タリバンとアルカイダは基本的にはアフガニスタンを活動拠点としているのに対して、ISの活動拠点は「イラクとシリア」・・・前回言うたけど2国ともシーア派の国やね。
本人たちは「活動拠点」でなくシリア内のラッカを首都とした国家って言うてるけどね・・・
今回は割愛したけど、2003年の「イラク戦争」の後、スンナ派のサダム・フセイン政権が倒れたイラクにおいてテロしまくり。
今回はアフガニスタンの時のようにイラクはほったらかさずに、アメリカは復興のお手伝いしてくれたけど、多分それがイスラム過激派には気に入らんだと思う。
イラクはシーア派政権になって、もともと少数だった片身の狭い思いをしているスンナ派を仲間に入れて、なんとアフガニスタンの「アルカイダ」とも接触して、今の組織を構築していく。
目的はアルカイダと同じでジハード「聖戦」らしいけど・・・
とってきた行動をみていると「ほんとかよ」って思う。内容は主旨とずれるから割愛するね。
アラブの春
中東の内戦において欠かせないのが「アラブの春」
簡単に説明すると中東のアラブ世界における現政権に対する民主化デモのこと。
これが2010年から2013年まで続いたのよ。
これは2021年の現在から比較的年が近いので、記憶にある人も多いかな。
これをニュース等で見ながら「中東でまた戦争・・・⁉」って思ってた人もいるような・・・
中東の殆どの国に何らかの影響を与えてる(^O^)
Wikipedia参照↓
アラブの春の民主化デモ自体を革命として「内戦」とする場合と、アラブの春で現政権を打倒して、民主政権を手にしたあと、上手く運営できなかったり、外国の介入やテロ組織の介入で国が混乱して内戦になっていったパターンがあるのさな(@_@。
アラブの春はチュニジアのジャスミン革命から始まる。
ちなみにジャスミン革命って名前はこの民主化革命の愛称、チュニジアを代表する花から命名。
ベン・アリー大統領を追い出し、23年続いた独裁政権の打倒に成功。
それがアラブ諸国へ凄いスピードで伝わって、
ジャスミン革命から約2か月でエジプトで約30年続いたムバラク政権が崩壊。
その後6か月でリビアで42年続いたカダフィ政権が崩壊。
エジプトとリビアは長期独裁政権を短期で倒してるからアラブの春の代表みたいな感じやけど、
両国ともすぐに内戦が起こって、安定して民政とはいかないよう・・・
けどね。多くの犠牲の上に成り立つ変革やけど、世界は民主化へ向かって流れてるのは間違いないと思うのさ(^o^)/
でね。このアラブの春の中で一番詳しく解説したいのが↓
シリア内戦
2011年のジャスミン革命の影響を受けて始まって、2021年の現在、まだ続いている(+_+)
2021年の段階で死者約40万人。
そして中東、ヨーロッパで大問題になっているのがシリア国民の半分以上1,100万人を超えるといわれる「難民問題」
そりゃそう。10年も内戦してる国に居たくないって気持ちは分かるよね。
問題は何故10年も長引くのってとこでしょ。
想像通りです。それは中東の争いの多くに絡む、「大国の介入」!!!!
まずシリアの民主化運動は親子で1971年から続くアサド政権の独裁打倒が目的。
だから内戦は政府軍と反体制派の争い。のはずだったわけ~
アサド政権を支援している国のメインはロシアとイラン。
色んなとこで言うてるけど、参戦、支援理由は複雑な相互作用。
それを踏まえた上でいうなら
イランは「イラン・イラク戦争」でシリアは数少ない味方になってくれた国やしね。
ロシアはアラブの春で仲良しの国リビアがいなくなったから、シリアまでアメリカ派になったら困るのが1つ。仲良しの国シリアで地中海にでる港をキープが1つってとこかな。
問題は反体制派さ。
全く1枚岩ではないのよ。
ロシアがアサド政権支持に回った時点で、アメリカは反対に行くわね。
シリア内に首都を置いてる前述のISも反体制派。スンニ派の組織やしね。
アサド政権はシーア派ね。
アメリカとISが手を組んで動けるわけなし・・・
ISは同時多発テロを起こしたアルカイダの流れを汲んでるからね。
今はISとアルカイダは決別したけど、一時は運命共同体やったしね。
一番分かりやすい例を挙げたけど、反体制派同士の争いがいっぱいあるのよ( ;∀;)
反体制派は民主化運動推進のはずやのにイスラム原理主義がいっぱいおるし・・・
ここからは前半に少し出したシリア難民の問題。
中東内戦の中で一番言いたかったのが「シリア内戦」、
その中で一番言いたいのが「シリア難民」!(^^)!
これ今後どうなるのか?
シリアと国境を接している国はトルコ、ヨルダン、レバノン、イスラエル、イラクの5つ。
普通に考えてユダヤ国家イスラエルへは行かないし、イラクもISとアルカイダの脅威あるしね。
行くならトルコかレバノンかヨルダン。
想像したのはヨルダン経由のサウジアラビア目的が一番多いかな~と
同じイスラム国家やしね。
違った。一番多くのシリア難民は北側の同じイスラム教の国トルコへ移動してる。
何でやろ?
その先にあるキリスト教のEUに自由を見たか(^O^)
でもまあ、トルコもEUも嫌がってるけどね。
難民支援には予算もかかるし、人数が多すぎるしね。
でもイスラム教とキリスト教の融合が起これば、誰も想像できない化学反応が起こるかもよ
この一連の中東の争いを通して思う事。
・民主政治が最高かどうか、いいか悪いかは別として、世界は民主化へ向かってる。
・人は利害で戦争できる。
同じ宗教、宗派、民族であってもね!!!!
・独裁政権というか人は権力を持つ期間が長いと勘違いする。
自分は特別とか・・・
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