目次
開戦
ビスマルク外交によって保たれていたヨーロッパの均衡は、ドイツ皇帝ヴィルヘルム2世のビスマルク罷免によって破綻・・・
サラエボの一発の銃弾がヨーロッパの平和を台無しにするんさな・・・
前編で書いた通りサラエボでオーストリアの皇太子がセルビア人の青年によって暗殺される。
何故これが世界大戦になるのかを少し解説ね(+_+)
サラエボって場所はボスニア・ヘルツェゴヴィナの州都。
当時はオスマン帝国領やけどオスマン帝国の弱体化に伴いオーストリアが併合を宣言。
オーストリアはゲルマン民族やから、当時から多数住んでいたスラブ民族のセルビア人は気に入らない。
で、皇太子が殺されたオーストリアはセルビアに対して宣戦布告。
その前にオーストリアは同じゲルマン民族のドイツに戦争になったら助けてねって約束を取り付けてる。
そうなるとスラブ民族の親玉のロシアはセルビアを支援。
ドイツに対して宣戦布告する(≧◇≦)
ドイツはロシアとフランスに挟撃されることを一番恐れてるから、フランスへ中立でいてねってお願いする。フランスは嫌っていう。
むかついたドイツはフランスに宣戦布告して、フランスへ侵攻する為にベルギーへ侵入。
ベルギーは永世中立国であり、ベルギーが永世中立国とする条約へはドイツの前身であるプロイセンも承認している。
そこが中立でいることがイギリスの安全保障にとって重要と考えていたので、むかついたイギリスはドイツに宣戦布告。
超簡単にいうとこれがヨーロッパ全体を巻き込んだプロセス。
ここに、瀕死の病人のくせにオスマン帝国はドイツ、オーストリア側に参戦。
やめときゃいいのに我が日本は日英同盟を理由にイギリス、フランス側に参戦。
中国や太平洋にあるドイツの支配地域を攻撃。
戦争終盤にはアメリカもイギリス、フランス側に参戦。
イギリス、フランス側の協商国側は32か国参戦って言われてる・・・
こうして世界中を巻き込んだ人類初の世界大戦へと発展してしまう・・・
終戦
大戦のプロセスは省きます。
色々あると思うけどそうさせて下さい(;一_一)
結果はイギリス、フランス側(協商国側)の勝利。
第一次世界大戦は終戦後が大事。東ヨーロッパの地図が大きく変わる。
ドイツ帝国(敗戦国)
ビスマルクを追いやった皇帝ヴィルヘルム2世は退位してベルギーへ亡命。
ホーエンツォレルン家のドイツ帝国崩壊。
ドイツ共和国(通称ヴァイマール共和国)が成立。
ヴェルサイユ条約の領土縮小、多額の賠償金を受入れる。
オーストリア帝国(敗戦国)
ハプスブルク家の最後の皇帝カール1世がスイスへ亡命
13世紀から始まるハプスブルク帝国は崩壊。
オーストリア共和国が成立。領土は旧帝国の26%程度・・・
ハンガリー(敗戦国)
上記のオーストリア・ハンガリー帝国が崩壊。
ハンガリー共和国として独立。1年足らずでハンガリー王国となる。
この国は少し変わってて国王のいない王国でホルティって奴が摂政として実権を握ってた。
オスマン帝国(敗戦国)
敗戦の機に起きたトルコ革命によって滅亡・・・
大きく領土を減らしトルコ共和国となる。
チェコスロバキア
この国もオーストリア・ハンガリー帝国の崩壊により独立。
チェコスロバキア共和国となる。
2022年の現在ではチェコとスロヴァキアは分かれてる。
セルビア
セルビアを中心にボスニア・ヘルツェゴビナ、モンテネグロを統合してセルブ=クロアート=スロヴェーン王国が成立。後にユーゴスラヴィア王国に改称。
ポーランド
ロシアからの支配が嫌で第一次世界大戦はドイツ、オーストリア側で戦ったけど、次はドイツに支配されて・・・
国として名前だけがある状態やったけど、やっと独立。
ロシア、ドイツ、オーストリアに挟まれた悲惨な場所やったけどこの3国に独立を承認されて、ポーランド共和国が成立。
ロシア(戦勝国)
第一次世界大戦中にロシア革命が勃発。
世界初の社会主義国家(ソビエト=ロシア)が成立。
イギリス(戦勝国)
戦争で疲弊。植民地での反英独立運動等も起きて・・・大英帝国の繁栄は終焉。
フランス(戦勝国)
長年ドイツと争ってきたアルザス・ロレーヌ地方を取り返し、ドイツへ多額の賠償金を認めさせた。
その他ドイツを弱らせる為の過酷な要求はその後ナチスドイツの台頭で完全に裏目に出る・・・
敗戦国を追い込み過ぎてはいけないって大事な歴史の学びがここにある。
総括
・まずは戦死者が千数百万人という今までで類を見ない犠牲者数。
・ヨーロッパ全土に戦火が及び、戦勝国であっても国としての疲弊を余儀なくされた。
・それによって世界経済の中心はヨーロッパからアメリカへ移行。ここ大きい(^o^)/
・東ヨーロッパの大国に従属していた諸民族の多くが独立して国を持った。
・あまりにも多くの犠牲を生んだ教訓から「集団的安全保障」という簡単にいうと侵略行為を行った国に対して国際社会が集団で鎮圧、防止しようという考えが生まれた。
・この考えは第二次世界大戦を防げなかった教訓と合わせて、現在でも多くの国家間の戦争を抑止できている考え!!!
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