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ヨーロッパ史⑧ ナポレオンの時代

歴史認識
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目次

フランス革命の意義

①共和制と君主制 

前回フランス革命を解説したけど、その意義の説明は超重要。

そして解説は非常に難しい・・・

フランス革命で国民が手に入れた共和制。

共和制ってのは王様がいない制度。

この時点でのフランスは国王を排除して、人権宣言も出しているから国民主権の民主制でもある。

日本と比べると分かりやすいかも・・・

日本は「天皇陛下」(王様)がいるから君主制。

だけど国民主権だから民主制。

これを「立憲君主制」というのよ。

前の回でも書いた「君臨すれども統治せず」ね(^o^)/

フランス革命での共和制 

共和制ってのはフランス革命で人類が初めて手に入れた画期的な制度じゃないのよ。

「古代ローマ帝国」の回でも書いたけどカエサルが出てくる前のローマも共和制、もっと昔にギリシャのアテネでも共和制はあったのさ。

アテネで共和制があったのは紀元前800年頃。

フランス革命から約2,600年前にも共和制は存在した。

何故、世界的な変革なのか?

じゃあ今回フランス国民が革命を起こして手に入れた共和制にはどんな意味があるのか?

これを解説していきたいと・・・繰り返すけど超ムズイ(-.-)

では、

端的にいうとフランス革命以前の共和制は「統治するための制度」

そこには人権宣言に謳われている「自由と平等」「国民主権」「法の支配」等の国民の意思がないの。

フランス国民が「こうありたい」「こうあるべきだ」っていうイデオロギーに基づいて行動し、勝ち取った共和制こそが、世界初のイデオロギーベースの共和制。

これが2021年の現在も多くの国で受け継がれる人々の意識の中の根底にあるもの。

ここでも日本との比較ね。

明治維新も似てるよね。

ここから日本は民主化していくからね。

徳川家の江戸幕府を薩摩、長州代表とする武士達が倒して、民主国家を作っていった・・・

これとの決定的な違いは「明治維新は民衆が起こしたものではない」

ご批判もあることを承知でいうなら明治維新は特権階級が超特権階級にクレームを付けた「権力争い」

民衆は惰性のまま。

自由、平等、国民主権等は思ってもいない。

日本の民主主義思想は国民がイデオロギーに基づいて勝ち取ったものではなく、ヨーロッパからの輸入と言わざるを得ないかな~ってのが個人的見解っす(;一_一)

理解できたやろか?

ここはヨーロッパ史の変換点なんで詳しくやったけど、中々の難度やよね・・・

ところがイデオロギーの元で多くの血を流して獲得したフランスの共和制は一瞬にして終わりを迎える。

それがフランスにて再び皇帝という地位に就くナポレオン・ボナパルトの出現。

ただイデオロギーベースの自由、平等、博愛の共和制の精神は簡単にはなくならない。

これがただの制度としての共和制との違い。

まずはナポレオンから

 ナポレオン・ボナパルト

歴史の流れを掴む場なので、固有の人物の伝記みたいにはしないよ。

ただヨーロッパの歴史の流れを学ぶ上ではこの人のプロセスは重要っす(^o^)丿

ナポレオンはコルシカ島ってイタリア半島の横っちょにある貧乏貴族の生まれ。

前回書いた「対仏大同盟」でヨーロッパ中の国がフランスを敵視する中で、天才的な軍事的才能で戦争に勝利して名をあげていく。

歴史において「・・・たら・・・れば」を言うときりがないので、あまり使わないけど今回は・・・
「ナポレオンの出現がなければ世界地図からフランスって国は消えていた」って意見は多くあるけど、これには同意(*^▽^*)

それほど当時のフランスを取り巻く状況はヤバかった(≧◇≦)

そんな中で外敵から守ってくれる英雄の存在は国民には眩しかったやろね~

だから国民投票で支持を得て、国民の手で王様をなくしたフランスで再び皇帝となることができた。

ここで第一共和制が終わり、第一帝政へと移行。これが1804年ね!!!

フランス革命前のフランスでは貧しい貴族出身が皇帝になれる道はない・・・
それまでは血筋が全て!!!

ナポレオンは共和制になったばかりの実力主義の中で結果を出し民心を掴んだ。

何となく登場と成り上がり方はこの先に出てくるヒトラーに似てる。
外敵の脅威を背景にした民衆の支持ってとこが。これはその時解説ね。

ちなみにナポレオンによってフランスはどうなったか?

ヨーロッパでの地位を確立した・・・そんなもんじゃない(^o^)/

一時的やけどヨーロッパをほぼ制圧したの(◎_◎;)

まさに戦争の天才やね。

ただ最後はロシア遠征で大失敗・・・60万人連れてって帰ってきたのが2万とか言われてる・・・

これにより求心力を失ったナポレオンは、制圧していたヨーロッパ諸国が反旗を翻し、ライプツィヒの戦いで敗戦。皇帝を退位させられ、島流しになる。

そこからもナポレオンは頑張って色々やるけど、そこは重要じゃないと判断。

大事なことはナポレオンがヨーロッパ制圧の為のナポレオン戦争でヨーロッパに何をもたらしたか‼

それが現代にも受け継がれる「フランス革命の理念」
法の前の平等、信仰や労働の自由、私的所有権と契約の自由等。

ここからヨーロッパの多くの国の国民がイデオロギーを持ち始めて、近代国家形成の礎となっていく

 フランス革命とナポレオンが残したもの

まずフランス革命でフランス国民が多くの血を流し得たものは

「イデオロギーベースの共和制」

国民が意思や思想持って王様のいない制度を作ろうとして、強硬な行動で勝ち得た。

フランスが実力主義の世の中になったばかりでナポレオンが登場。

ヨーロッパを征服するために周辺諸国を侵略。

征服した国々でフランス革命の理念を広めて、今まで当たり前に思っていたことは当たり前ではないことにヨーロッパの人々が気付き始める。

王様は生まれながらに偉い、農民に生まれたら死ぬまで農民、領主は農奴を働かせて普通。
殆どの人はこんな風に考えていた。

でも生まれながらに偉い人はいない。能力があれば金持ちにだってなれる。好きな職業に着ける。
こう考える人が増えてきて今がある。

この考えはフランス発祥でヨーロッパに伝播して、その後アメリカや日本、アジア圏にも伝わっていく。

ここがヨーロッパ史の、いや世界史の分岐点。

この後イデオロギーを持った一般市民達が国を作ってゆく。がすぐではない・・・

まだ揺れ戻しは起こるし、王政はなくならない。

でも多くの血を流して手に入れた思想の実現は、再び王政になろうとも国民の血の中に流れ続けていく。

次回は神聖ローマ帝国滅亡とドイツ建国


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